父と子の切りたくても切れない関係。望まない「血」や「宿命」から慈しみは生まれるのか。
どうしようもないクズな父親を渡辺いっけいさん（ひさびさに見た気がする）が好演。息子役の遠山雄さんも不本意ながらクズ親父の血を引き継ぎ苦悩する無気力な青年を見事に演じていた。
同性同士だからなのか、息子からすれば父親は疎ましい存在でありつつも、絶対的な存在であって欲しいと心の底では思っているもの。だから父親に裏切られたときのダメージはとてつもなく大きい。この作品は子どもの頃に何かしら父親と約束を交わしたことがある人ならきっと琴線に触れるはず。
個人的には薄味演出&劇伴要らない派なので、正直苦手なタイプの映画。印象としては重厚なNHKドラマを観ている感覚だったけど、役者たちの素晴らしい演技と脚本の良さの方が苦手意識を上回ってだんだん気にならなくなった。監督はこの作品が初長編なのも素直に驚き。
北千住にあるブルースタジオの上映スケジュールを見て「なんか面白そう」と思い楽しみにしていた作品。予想していたイメージとはだいぶ違ったけど観て良かったっす。明日までやってます。
