磯野マグロ

99歳 母と暮らせばの磯野マグロのレビュー・感想・評価

99歳 母と暮らせば(2018年製作の映画)
3.7
【何気ない奇跡。】

映画としてはどうということはない、プライベートムービーにも近いような身内のドキュメント。100歳になんなんとする母を自宅で介護する、70過ぎの監督自身の話。
このおかあさんが、明るいし前向きだしトボけてるしボケてるしよく食べるし、とにかくいい味。藤沢のけっこういいとこの広い庭のある家に住んでて、趣味や言葉遣いなんかもステキで、ああ教養のある、ハイカラなおかーさまだったのね、ということがすぐわかる。だから介護の状況としては、だいぶ痴呆がすすんでも殺伐としたりするシーンはまったくない。おかあさんがのほほんとしてるから、息子もおかあさんを追い詰めたりしないで済む。これがまたなんとも奇跡的。
あんなにできたおかーたまを介護するようなシチュエーションはなかなかないので、これから自分がするであろう介護はともかく、まずはやっぱり、こんなふうに年がとれるように自分の性格から直さなきゃな、と思ったのでした。
101
磯野マグロ

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