ペコリンゴ

100日間のシンプルライフのペコリンゴのレビュー・感想・評価

100日間のシンプルライフ(2018年製作の映画)
3.6
記録。
ウサギとハリネズミ

ドキュメンタリー映画『365日のシンプルライフ』を劇映画としてアレンジしたドイツ産コメディドラマ。

アプリ開発事業のパートナーかつ親友でもあるパウルとトニー。アメリカのIT企業から自社開発のアプリ「ナナ」を高額で買い取るというオファーを受けて色めき立つ2人は酔った勢いでとある勝負をすることに。翌朝目覚めてみると何故か全裸。あれだけ物に溢れていた部屋には何も無い。勝負を取り消そうとする2人であったが、もう後戻り出来ないところまできていた…。

うん、面白い設定だと思います。
言わば100日間の強制ミニマリスト勝負。

ルールは…
・持ち物は全て倉庫に
・1日に1つ倉庫から持ち物を取り返せる
・買い物禁止

モノに依存する現代人にとっては非常にキツい条件。ギブすると自分の利益の半分を従業員に還元するペナルティが待っています。

何も着てるものまで奪わなくても…と思うけど、大の大人が雪降る中全裸でダッシュする絵面や、幼い子供とその母親に包茎をイジられるくだりなんかは笑えます。それに2人とも良い身体してるから女性にとっては眼福かも。

根底に消費社会やデジタルに依存する現代への警鐘といった趣きはあれど、一番の魅力はタイプが異なる主役2人のブロマンスでしょうか。

息の合った掛け合いも楽しいですし、THE 王道の友情物語は何度見ても良いもの。

とはいえ、なんか散漫で台詞回しも一部微妙に感じちゃったところがあって、結果的に、深いお話なようでそんなでもないような印象を受けちゃったのは残念でした。

物理的な豊かさは内面的な豊かさに比例せず。分かってはいてもアマゾンでアレやコレやポチってしまう僕は反省が必要なのかもしれません。