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ミッドサマーのAのネタバレレビュー・内容・結末

ミッドサマー(2019年製作の映画)
4.6

このレビューはネタバレを含みます

万人に勧められる映画ではないが、個人的にはとても良かった。何回も観てしまう。

宗教学・人類学徒としては、民族誌映画として観たら、ホルガ村の人々の行動にそんなに驚くことはない。
最後に彼女が女王になったのも、外来王・まれびとを彷彿とさせる。

だが恐らく、村人が「近代人」とされる主人公達と同様に英語を話し、白人で西洋人であるということが、よりいっそう奇妙さ・カルト的な恐怖引き立てるのかもしれない。

民俗学(民族学・人類学)を学んでいたら、首狩りやカニバリズム、人身御供、呪術といった事例にはたくさん触れてきているはずなのにも関わらず、彼があんなに拒否反応を示しているのは、そういったものはいわゆる「未開」とされるアフリカなどの地域で起きているものと認識していたからなのではないかと思った。

だからこそ、「近代人である私たち西洋人」の中で、そのような行動をする人々がいることを認められず、あんな風になったのかもしれない。一種のオクシデンタリズムみたいな。

鑑賞者の背景によって全然違う感想を抱くはずなので、面白い映画だと思う。
A

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