一足先に試写会で。監督もいらっしゃった。
完成度は映像的な面でも世界観的にも、ホラー映画としても、ここ数年の中で最上級だろう。映画史に残るレベル。
とにかく作り込みが半端じゃない。撮り方はもちろんだけど、村の建造物や何度も登場する意味深な絵画とルーン文字。プロ中のプロのデザイナーと一緒に制作したと監督が言っていた。そして、今まで観てきた映画の中で最もグロかった。冷たい熱帯魚が霞んで見える。
そんな映像のためだけでも、観に行く価値はある。
悲しいくらい、鑑賞中に予想する次の展開が的中する。分かりきっているからこその怖さがそこにはある。
異文化理解がテーマのひとつなのかな、なんて序盤は考えていた。だから、これがこの村の文化だからと僕は受け入れようとしていた。
そんなんじゃないぞこれは。だいたい受け入れるってなんだ。なんて上から目線だ。変に理解しようとなんて、客観的に分析しようとなんてしなくていい。というか知らなくていいんだこんな文化は。文化なんてのは比べられるものでもないし、似通うものでもない。片足突っ込んで生きるなんて都合の良いことはできない。
こんな世界観を作れるアリタスター監督……めちゃくちゃチャーミングで英語聞き取りやすくて人の良さが滲み出てたよ……。
この人はハートフルな映画を作る監督って言われても疑わない。
