Taka

ミッドサマーのTakaのレビュー・感想・評価

ミッドサマー(2019年製作の映画)
3.9
いやぁ、どう評価したらいいのか。面白くなかったわけではない。でも、あのオチで良かったとはとても思えないそんな感想を抱いています。
スウェーデンの夏至祭を舞台に繰り広げられる悪夢。ヘレディタリー以上のエログロ描写を詰め込みながらも夜という概念が通用しない白夜の状況で描かれる不気味と狂乱と絶望が掻き乱される世界観については面白かったと思う。
しかし、終盤の展開がどうも腑に落ちない。正直、この映画をおすすめする感想文を書けと言われたら書けないと思うし、出して0点をつけられると思う。「ミッドサマーは癒し映画だ」という声を聴くが、観終えて疑問すら抱く。むしろ不快感のほうが徐々に増してるくらいだ。「カップルでの鑑賞を勧めない」とする理由はそこにあるのかも。ダニーと彼氏のクリスチャン、それぞれのオチはそれで良いのか?と心で叫んでいた。「わたしの居場所はここだ!」みたいな感じにしてるが、そうではないんじゃないか?とも思うし、クリスチャンがゆく運命には甚だ疑問だ。そこまで自分にはクズに見えなかったし、それ故に夏至祭に呑み込まれていく様を観て余計に納得がいかなくなる。もっとクズ的ならまだ自分も良かったと思える。現実にいそうなカップルと個人的に非現実感あふれるあの夏至祭の世界観との距離がイマイチ取れなかったというのもあるのだろうか。
正直、自分は好きではない作品でもありつつ、強烈な夏至祭の世界観を嫌いにはなれないところはある。単純にツボの押し方が個人的に悪い箇所があっただけである。
だからこそ言いたい。俺はアリ・アスター監督が心配だ。我が子を見守る親みたいな目線で心配だ。もっと人に寛容でありなさいと思っちゃった。どうか彼にこれ以上、不幸を与えぬようお願いしたいところだと思いつつ、次回作、何してくるんでしょうね。‬
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