TadanobuOzawa

ミッドサマーのTadanobuOzawaのレビュー・感想・評価

ミッドサマー(2019年製作の映画)
5.0
--ミッドサマー

 テーマが好みでした。
 そして、映像も音楽も美しいです。
 日本映画風なカットも多いです。

 難を言うと、寝所シーン前後のセリフて物語の殆どを語ってしまっていることくらいかな。先読み出来てしまう。進行上仕方がないセリフなんだけど。あとは、スウェーデンの話だから海のシーンも欲しかった。ニシンのシーンがリアリティ増すハズです。

 「愛玩動物と食用動物の違い」について考えた事がない人には観て欲しいですね。あと、多数意見を疑問を持たずに受け入れられる人たちにも考えて欲しいテーマです。

 この映画に出てくるコミュニティでは、決まった年齢になると自殺する風習があります。そのシーンでアメリカ人が、「ここの人たちにとっては、自殺よりも老人ホームが残酷に見えるのだろう」と言います。この映画のテーマを考え易くしてくれるセリフでした。

 他に「宗教や文化が単一で狭いコミュニティの人たち」をテーマにした作品としては、ヴィレッジ、犬鳴村、ホテルムンバイ、ヘレデタリーなどですが、このミッドサマーは、死体のシーンによりリアルに人の内面を感じさせてくれます。

 世界中には、自殺だけでなく、人肉を食べたり、家族の遺体を鳥に食べさせたりの風習があります。日本にも、姥捨山(口減らし)、こけし(子消し)、土葬(死体を微生物のエサにする風習)があったのと同じです。
 あとオウム真理教の事件も思い出しました。サティアンとか。

 あー、でも、タイトルは失敗ですね。青春ムービーっぽ過ぎてタイトルで危うく見逃すところだった!僕なら、ありきたりでも、「Darkness of White night」にします。
 
 グロいシーンが苦手な人はやめた方がいいです。

 ミッドサマー
 ★★★★★ 星5.0
 TOHOシネマズ与二郎
 2020.02.29