TERUTERU

ミッドサマーのTERUTERUのレビュー・感想・評価

ミッドサマー(2019年製作の映画)
3.8

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「祝祭」...そうあのスウェーデンのホルガの民にとってあれは幸せなお祭りなのだ。伝統的な文化であり当たり前の事なのだ。それを違う文化の異国の者が今まで続けてきたことを邪魔してはならない。ホラーだ、惨すぎると言っても彼らの文化であってルールなのだ。

自分の価値観が当たり前と思って生きていると死に値する。

そう思った作品だ。

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『ミッドサマー』、とてつもなく不気味な映画でしたね。なにかモンスターが出るわけでもなく、グロい描写が多いわけでもなく、なぜかちょっとした不可解に感じるポイントが幾つもありじわじわと重なってくる。そのころには自分の恐怖メーターが全開に近い所で最後に一気に最大の恐怖を押し付けてくるから、恐怖メーターの針が振り切れる。「もう沢山だ」、「もう見せないでくれ」と思うぐらい恐怖が自分の中に充満していた。たぶんダニーの彼氏クリスチャンと同様に自分も映画が始まる時は胸を張って観ていたが最後には気分悪くしゃがみ込むような猫背で映画を観ていた。言いすぎかもしれないがそのくらい怖く不気味な映画であった。

 この不気味に感じたシーンは幾つもあるが、今回なんと珍しく「ミッドサマー」の公式ホームページがわかりやすく解説している。ネタバレを含んでいるのでもちろん作品を観てから読むのをお勧めする。なんたって面白さが薄まるからね。URLは貼っておくから✉️

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https://www.phantom-film.com/midsommar/mystery/index.html
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 この作品はホラーではなく「ラブストーリー」「メロドラマ」である、というのはすごく理解できた。ただ自分がすごいなと思うのはこの作品が「フォークホラー」というジャンルであってその中の皮をかぶった「ブレイクアップ・ムービー」である二つのジャンルが存在することに驚きだ。「フォークホラー」は美しい世界の中で奇妙で恐ろしいとも思える異教信仰の不気味なストーリー。「ブレイクアップ・ムービー」は男女の恋愛の破局を意味した映画。そう簡単にこの映画を説明すると、異教信仰のカルトな部分と男女の破局の恐ろしさが観る者をダブルパンチで襲ってくる。そしてクリスチャンになる🧸🔥

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 ダニーはメンヘラチックであったからクリスチャンにとってはもううんざりだったんだろうね。家族を失い、彼氏の愛は遠のくばかり一人悲しく孤独を感じていたんだろうね。そこにあのホルガの民の皆で感情を共有する場面、ダニーにとっては心が満たされるような感覚幸せに感じたのだろう。あんまりこの例えは批判を喰らいそうだが、メンヘラが思いえがく理想の男性はホルガから来たクリスチャンの友達「ペレ」のようないつも笑顔で優しく振る舞ってくれる存在でホルガの一緒に感情を共有してくれるような男性なのかな。とてもじゃないが真似できない。理想は時に残酷という言葉がよぎるよ。。。

 「アリ・アスター監督」、「ヘレディタリー/継承」の恐怖作品の次に生んだ新たな作品『ミッドサマー』是非カップルで観るのをおススメしたいホラー作品だね。もちろん別れるような事はないと思う。お互いの愛を確かめられると思うよ。

 そして夏に「祝祭があるから旅行に行こう!」と誘われた方気を付けて。行ってはいけない訳じゃないんだよ、失礼なことがない様に前もってしっかり異国の事は調べてね!そうすれば彼らの様にはならなくて済むと思えるから。たぶんね。。。💐

2020/No.012
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