gatopero

ミッドサマーのgatoperoのネタバレレビュー・内容・結末

ミッドサマー(2019年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

緊急事態宣言明け一発目。
3時間もあるディレクターズカット版を鑑賞。
一言で言うとカルトグロ映画。
もっとサイコ感もあるかと思ってたけどむしろめちゃくちゃリアルで現実感のある内容だった。
明るい映像に不協和音を使い、気持ち悪い不穏な空気感を出していて、人間の怖さを感じる内容の映画だった。
グロ描写も明るい映像で細部までしっかり見えるから、グロ耐性無い人はキツそう。

内容は書き出したらキリないくらい長文になるので割愛。

ディレクターズカット版はグロシーンとかではなく、登場人物同士の会話シーンなどが足されているようで、より関係性を理解して観ることができるよう。

カルト感やグロさが目立つ映画だが、全体を通して主人公ダニーの心境の変化がこの映画のテーマだと思った。

何かに依存しないと、共感が無いとまともに生きていけないような心の不安定さを持つダニーが、一般社会から常識外のコミュニティに依存先が変化していく様は、すごく異常な光景に見えるが、描写を変えればごく間近にある事だと思った。

ダニーは単純に自分の居場所を見つけただけで、それは友達のグループを抜けたり、学校を辞めたり、転職したりと同じで、しんどい場所から抜け出して自分が楽になれる居場所を見つけることと同じなんだと思う。

実際宗教はそういうもので、神にゆるされるために祈り、神によって自分の居場所を作ってもらっている。
それが一般常識的にどれだけ異質であろうが、一般常識はすでに外の世界になっていて、同じ価値観を持った共感できる居場所があれば人はそこに依存してしまうのだと思う。

観賞後に調べてみると監督は失恋がきっかけでこの作品を思いついたのだそう。
そんなテーマをこんなカルト映画に落とし込んでいるのはすごいが、失恋からこの映画を思いつくってちょっと頭おかしい。
gatopero

gatopero