HAL

ミッドサマーのHALのネタバレレビュー・内容・結末

ミッドサマー(2019年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます


年寄りは自ら命を絶ち、男はみんな死ぬ、くらいの前情報だったので見当違いな部分もあるかもしれないが率直な感想。


キッッッッッッツ



"共感"の持つ力を最大限利用した、ある意味完璧でありながら、一つの異物だけで簡単に崩壊してしまいそうなコミュニティ。
そして外から来た男性陣の中でも特に"共感"能力の低いマークが真っ先に…。

最初から最後まで自ら"非を認めて謝罪する"ということをしなかったクリスチャン。
ダニーが家族を失った途端に彼女に"共感"して見せて(或いはダニーの悲しみに本当に共感して)優しくなるペレ。

ペレの両親が炎に焼かれて死んだのは儀式に立候補したから?

女性が主要な決定権を持つしきたりのコミュニティの中で男性であるペレは少しでもに上がりたかったから、友人たちを連れて帰り、自分の有用性を示したかった?

ダニーは感受性が強く他者の感情に強く依存するタイプだからこそ、村に馴染み、女王に選ばれる可能性があると踏んで近づいた?

彼が人類学部(だったっけ?)にいるのは、故郷の話をすれば興味を持たせ連れ帰ることのできる人間がいそうだから?
もしや外の人間を呼び込むために定期的にそういう分野に村の若者を送り込むのだろうか…?


それから作中に流れる音。
村人が演奏する楽器、歌、声、そのどれもが常に絶妙に揺れる不協和音で、彩度が高く美しい村の風景とのミスマッチによってうっすらとした不快感が常にある。

掘り下げようとするととても疲れるし、時間が立ってからじわじわと気分が悪ってくる。

あるシーンで(ハンニバルで見た…)と思ったのは私だけじゃないはず。
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