なっちゃん

ミッドサマーのなっちゃんのレビュー・感想・評価

ミッドサマー(2019年製作の映画)
3.8
システムの歯車になる方が孤独も感じなくて幸せに生きられる人もいるよねって思った
孤独の前提である個の境界がなくなるから

ダニーは冒頭からまさにこの孤独に追い詰められている。家族も不安定、彼氏も頼りない(というか自我が無い)ダニーは自他の境界線が測りきれてないから、何かに寄りかかっていないと不安で、寄りかかり過ぎても不安になってしまう。
個の境界線なんて自分で勝手に決めて生きてくもんと思うけど、いつまでも「このぐらいの線で大丈夫ですか?!合ってますか?!」と聞いていて全く線引きが進んでいない感じ。

そんなダニーが、生死でさえシステム化された徹底的に個の境界線のない村に行く。着いた日が彼女の誕生日っていうのも意味深。。
同じご飯を食べたり、謎のドリンクでみんなでハイになって踊ったり、つらいことがあれば一緒に叫ぶなど、どんどん個を曖昧にしていく村人たち。。これにダニーは癒やされ、ついにシステムの一部になる。
彼女にとっては一種の開放なんだろうなというふうに見えました

食べ物で思い出したけど異界の食べ物を食べて現世に戻れなくなるヨモツへグイ伝承は北欧にもあるのね
その他、コミュニティの血が濃くなることを恐れてのマレビト信仰ムーブも同様だなと思った
民俗学、奥が深い

そしてとにかくクリスチャンの自我が無い
自分の頭で考えてるとは思えん…
そんな受動的なクリスチャンが最後、目は見えるけど口もきけない行動もできない状態で生贄になったのが好きでした
そういう奴はそのまま死んでいけ的な意味?
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