lili

女性の名前のliliのネタバレレビュー・内容・結末

女性の名前(2018年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

心待ちにしていた巨匠マルコ・トゥリオ・ジョルダーナ監督の新作。今作もリアリズムに徹し、無意味な脚色もなく、目を背けたくなるほどの辛いシーンも必要性のある部分だけを描いているところがさすがとしか言えない。そして、尊厳を傷付けられた女性が、事の発生直後は混乱して身近な人に話すこともできず、時間が経ってからようやく自分に対してなされたことの意味に気づいていく様も、なぜこの過程がこれまで描かれず、なぜ理解されてこなかったのか、なぜ今になってようやく、という悔しさがこみ上げるほどリアルだったが、監督がQ&Aで述べた「この映画は世に出るのが二千年遅かった」というコメントで救われる思いがした。決して気分の良くなる映画ではないが、地に足のついた、作られるべくして作られた、世に広まることに限りない意味のある映画であることは間違いない。公開してくれ。
lili

lili