birichina

ルチアの恩寵のbirichinaのレビュー・感想・評価

ルチアの恩寵(2018年製作の映画)
3.5
邦題と画像に引っ張られてシリアスな作品と勘違い。原題「Troppa grazia(もう結構/もうたくさん!)」を見れば、コメディ要素があることに気づけたのに…。

物語
シングルマザーのルチア(18歳で出産と言っているから30代中頃か)は測量技師として生計を立てているが、なかなか仕事にありつけない。ようやくお呼びがかかった仕事は、自然が残る丘陵に文化&商業施設「オンダ(波)」建設のための土地測量。従来の地勢図に間違いを発見したルチアはそれを正そうとするが、上司に止められる。そんなルチアの前に聖母マリアが現れ、「建設計画をやめさせ、教会を建てせさろ」とささやく。ルチアは幻覚を見ているのだろうと聖母を無視しようとするが、聖母は執拗にルチアに迫り彼女を悩ます。

感想
・聖母マリアとルチアの対立シーン(商業施設建設着工パーティーで聖母が半ば暴力的にルチアにお告げどおりに動くよう諭すシーンなど)はコメディタッチで楽しめた。
・町の中心地に水が流れ込むシーンは圧巻だった。どうやって撮影したのか知りたい。
・冒頭の幼少のルチアが彗星が落ちるのを見るシーンは物語にどんな関係があるのか、いまひとつ分からずじまい。彗星が落ちて地勢図が変わった? 地下水脈ができた?
・高校生の娘と元カレと3人でフライドポテトを食べるシーンはよかった。(ポテトが食べたくなった)
・むだに間延びしていると感じられる部分があり、全体的にもう少しコンパクトにしてくれるとよかったような気がする。一方、ルチアの母や父のことが全然語られていなくて、なんか残念。シリアス要素とコメディ要素のバランス、コメディ要素がもう少しあればなという印象(アルバ・ロルヴァケルはかなりコミカルに演じているのにもったいない)→観客が欲しているものがやや足りなくて、それが満足感が薄れる原因になっているのかも。
それはさておき、ヴィテルボに行ってみたくなった。
birichina

birichina