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ルチアの恩寵のKnightsofOdessaのレビュー・感想・評価

ルチアの恩寵(2018年製作の映画)
1.0
[ハダス・ヤロン、聖母似合い過ぎ] 10点

ハダス・ヤロンを観に行ったにしてはシーンが少なすぎた。そして映画全体も酷すぎた。冗長なのに説明不足なせいで、70分くらいで収まる内容なのに120分掛けても何一つ伝わってこない。一つのシーンに時間かけ過ぎなのに、シーンの繋ぎ目を省略しすぎ。流石に話が飛びすぎで理解不能だった。父と娘、母と娘の関係、或いはルチアとアルトゥーロの関係は非常に表層的にしか語られないし、娘のエピソードなんか蛇足でしかない。なんだよ、あのフェンシングのシーン。しかも、要の聖母マリアだって、誰でもやれることを聖母がやるから面白いというエピソードがほとんどで、聖母でなくてはならない理由はなかった。勿論駐車場のシーンは面白かったし、ハダス・ヤロンは最高だったけど。

社会派系としてもざっくりしすぎていて、"なんか地下がヤバイんじゃね?"ってだけしか本人たちも言っていないから、こちらにはなんの情報も伝わってこない。単純に何がしたいのか意味が分からなかった。"地下がヤバそう"ってことしか分からんのになんで動けるのか→聖母が教会建ててって言ってるからというめちゃくちゃな理論で一応まとまってはいる。聖母に失礼だよな。

一つだけ驚きだったのはアルバ・ロルヴァケルに表情があったこと。思えば彼女の出演作ではほとんどすっぴん・仏頂面・半目で薄汚い服を着ていたイメージだったが(アリーチェのせいですね)、今回は彼女を囲む光が非常に暖かく、鮮やかな服を着ていたのもあってかコケティッシュな感じが全身から出ていた。まぁ、脚本が彼女の演技を踏み潰しているから全然意味なかったんだけどね。

結局、社会派・家族もの・奇跡&宗教系を色々やってまとめようとして多重事故を起こしただけの駄作。観る価値なし。これがイタリア映画でどういう位置を占めているか知らんが、上の方にいるなら凋落も頷ける。まぁ日本に言われたくはないだろうけど。
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