akihiko810

ベスト・オブ・エネミーズ ~価値ある闘い~のakihiko810のレビュー・感想・評価

3.8
1971年、ノースカロライナ州ダーラム。黒人の公民権運動化のリーダーの女性と、KKK(白人至上主義団体)の幹部の男が主人公。ある日、黒人学校でボヤが起き、授業が出来なくなり、地方自治団体は一時的にその生徒たちを白人学校に送るという提案をするが、当然白人側は猛反対。この問題を任された仲介人は、各団体の代表者を集め、「数週間討論を行い、最終日に多数決で学校の統合の可否を決める」という策に出る。初めのうちは反目し合っていた主人公ふたりだったが、互いの家庭環境や性格を知るうちに、奇妙な親近感を覚え初め…

実話をもとにした、黒人差別解消の歴史の映画。黒人と白人の融和の映画といえば、「グリーンブック」「ブラック・クランズマン」と傑作が多いが、本作も劣らずの傑作といえる。
KKK幹部の男・CPを労働者階級で、家にはダウン症の息子が一人、と「よくある強者」ではなく「部分的には弱者」という人間像にしたのがいいと思った。
CPが黒人社会を垣間見ることで、「我々白人だけでなく、黒人たちも弱いし連帯してるんだと知った」と述べるシーンは、俳優サム・ロックウェルの演技力で力強い説得力を持っている。
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