良い映画でした。
今、また世界中で多くの人々が直面している問題がこの作品のテーマです。
歴史は繰り返されるのか…と胸が痛くなる。
コロナによって海外に住むアジア人も差別を受けている。
映画の話ではなく、現実で起きている。
今も見えない何かに怯えながら生活している人々がいる。
コロナが怖い、と思っていた。
今はそこに人間も怖いがプラスされてしまった。
シャレットというまちづくりの手法は初めて聞いた。
日本でもこの手法を取り入れたまちづくりをしているところもあるよう。
人の考え方はなかなか変えられないと思う。
余程のきっかけがない限り難しい。
反対する人間と賛成する人間とが話し合う機会を設けても、まず話し合う土俵にすら立てない。
シャレットの初日はそんな状況だった。
ビルの心が折れかけた気持ちがよく分かる。
もうシャレットは始まってしまった。
スタートしたのならとにかく結果がどうであれゴールしなければならない。
ビルが中立的立場でシャレットを進めて行く。
ランチの席を指定したり、誰よりも変化を求めていたと思う。
まずはお互いの意見を聞くことが何よりも大切だから、と。
なぜ人種統合をしたいのか、なぜ人種統合に反対なのか、お互いの気持ちを知らないままではシャレットの意味を成さない。
神を信仰している。
ケガをすると赤い血が出る。
子を持つ親である。
共通点ならいくらでもある。
親が我が子へ、その子が親になり子へ…。
無限ループのように教育されていく。
親が子を思う気持ちは同じなのに、教える中身は人種差別をする側、される側で異なる。
黒人男性のこの話はとても胸が痛くなる場面だった。
KKKのやっている事には驚愕した。
白人が白人を苦しめているのだから…本末転倒だ。
同じ経験をするとその人の気持ちがよく分かる。
初めてきちんと理解できると言ったほうが正解かな。
相手の立場になって考えることがいかに大切か改めて教えられた。
簡単なようで難しい。
自分のためではなく他者のため。
他者が幸せだと自分も幸せだという考え方が好きだ。
他者の幸せを願いながら生きたいものである。
だからこそ、このタイミングでこの作品と向き合えて良かった。
もう一度言う、良い映画でした。
147/2020