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タイタンの逆襲のmatchypotterのレビュー・感想・評価

タイタンの逆襲(2012年製作の映画)
3.9
ギリシャ神話のにわか知識のファンとしては堪らん。

専門的なマジの知識をお持ちのエキスパートがこれを観たら何と言うかはさておき、神話とその神話のキャラが過激に、壮大に、盛大にお祭り騒ぎ。テンション上がる。

強いて言うならサム・ワーシントンの髪型がダサい。前作は坊主頭でいかにもウブで無骨な半神半人だったが、前作の活躍から時を経て所帯を持って漁師生活をしてる割には髪型が漁師っぽくない。
もう少し伸ばすか切るか、だろ、そこは。まぁそう言う意味では神か人か間を彷徨ってる感はあるけども。

ハデス、ゼウス、ポセイドンのそれぞれの武器を作ったヘパイストス、彼を守る1つ目の巨神サイクロプス、冒頭からフルスロットルで暴れ回る獣神キメラ、ゼウスの息子軍神アレスなどなどサブキャラも神々出まくり。

素人でも聞いたことある神々だからどっかで読んだ本に出てきたキャラ(神)が動いてると思うと面白い。
アレス、軍神とされる神だけにタイマン強過ぎ。この映画の中だけでも父ゼウス、叔父のハデス、腹違い兄弟のペルセウス、ポセイドンの息子アゲノールとやり合うがほぼほぼ全勝。
さすが軍神、個人の戦闘力としてずば抜けてる。すげー強い。

ポセイドンの息子アゲノール、こいつがまたポセイドンの半神半人の息子でお調子者で、ペルセウスと共に何だかんだ文句垂れながら苦難に立ち向かう様が、この神々の重々しいやりとりと戦いに良い感じでクッションになってて観やすい。航海士「ナビゲーター」の異名が語源になってるらしいが、本当か。

そして、クロノス。
神話では息子のハデスとポセイドンを畏れて飲み込んでゼウスが助けて、閉じ込められた父親、、、と、何やらわけわからん存在で、その3人の親なんだからこの映画でもそれに恥じない暴れっぷり。
このクロノスの強さはもうヤバいな、スケールが違い過ぎる。それがちゃんと伝わる映像になってるのがまたスゴい。圧倒的過ぎるだろ、これは。

ギリシャ神話は全知全能の神ゼウスが筆頭っぽいが、実はその親がクロノスで今回はそいつが目覚めてとんでもない力でとんでもないことになるわけだが、そのクロノスの時代にはタイタン族という巨神達との戦いがあってもっと遡るとクロノスにも父親みたいな存在がいて、元を辿ればカオスがいました、みたいなもう意味わからない果てしない家系図と世界がある。
とても“にわか”ではついていけない世界観があるが、何だかよくわからないからこそ魅かれるロマンと神秘的な魅力がある。

ゼウスが人を作って、そこから神と人間の間に関係ができて、時に神が地上に降りてきてスゴいことしたり、人と交わって子供産ませたり、やっぱりわけわからないが、そんな神が実在して人と近い存在だからこそ、今ではまったく世迷言としか考えられない「人と神が戦う」「神が人に会いにくる」「神が神を呼び覚ます」があったとされ、それを信じたり、ここまでの果てしない物語が受け継がれているのかと思うと世迷言でも魅かれる。

それがギリシャ神話。
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