何気なく観てやられた映画。
その代表が、火垂るの墓。
招待券をもらってふらっと入った映画館で観て一人で号泣した。
アレから、二度と観ていない。
観なくてもあの哀しみをいつでも思い出すコトが出来る。
だから、観なくても良いのだ。
この、君の誕生日もそんな作品だった。
韓国映画のファンなので、
面白そうな韓国映画ならジャンルを問わず観るコトにしている。
作品の紹介文もきちんと読まなかった。
面白けりゃあ、良いや。
ってなモンである。
ところがやられた。
途中からやられそうだな、ト云う空気は感じていたのだが、
誕生会で遂にやられた。
深夜、テレビの前で、一人で号泣した‼︎
映画館でジョーカーのラストシーンを観て以来の号泣振りである。
そう。
ワタシは、ジョーカーのラストシーンで号泣する様な人なのである。
物語は淡々と始まる。
説明がない。
ドラマの展開ト同時に状況が分かる仕組みになっている。
それが好奇心を刺激して、
観ている者を飽きさせない。
この辺りは、巧みなホンと演出である。
が、それも巧みが故に、観客にはほとんど気付かせない。
さり気ない伏線も充分に張り巡らされている。
薄々感じるが、明確には分からない。
それが爆発するのが誕生日会である。
母は、息子が自分だけのモノだと思い込んでいる。
が、息子は、生きていた間に知り合った多くの人たちのモノでもあったのだ。
母は、誕生日会で初めてそのコトを知る。
父も、妹も、
この時の、ソル・ギョングの演技がたまらない。
演者として押さえていた感情と、
父ト云う役柄で押さえていた感情が、
一挙に爆発する‼︎
素晴らしい芝居だ❣️
母親を演じるチョン・ドヨンの演技も素晴らしい。
息子を思うあまりに精神的に不安定になってしまっているベースの芝居から、
それがゆっくりと立ち直って行くト云う難しい芝居を実にさり気なく演じている。
初登場シーンの彼女の表情とラストシーンの彼女の表情を比べればすぐ分かる。
全く別人の様な表情だ❣️
不慮の事故や災害で愛する人を失った人たちト周囲の人たちの思い、
それは、必ずしも善意とは限らない、
をきちんと描いているところに好感が持てる。
果たして、自分ならどんな立ち位置をとるだろうか?
その立ち位置の取り方は意識的ではなく無意識的なのかも知れない。
その時に、ホントの自分が分かるのかも…。
寄り添う人でありたいし、
寄り添われる人でもありたいと、
心から願う。