ぬーたん

君の誕生日のぬーたんのレビュー・感想・評価

君の誕生日(2018年製作の映画)
3.3
セウォル号のドキュメンタリーを観てからこちらを。前途ある高校生の犠牲は可哀想な事故だった。いや、事故というにはあまりに酷かった。船長が真っ先に脱出するとか考えられないし。そのセウォル号で犠牲になった子供の家族の話ということで、事故についても詳しく描かれるだろうという期待で観たが、全く裏切られ、あくまで遺された家族の悲しみとそこから立ち直って行く姿を描いている。
韓国映画苦手はやっぱり克服出来なかった。何だろう?土足で家に入って来る、心に入って来る、その図々しさとお節介さが、たとえ親切から来てても苦手だ。昔の長屋、昭和30年位の日本っぽいかも。
息子を亡くした母にチョン・ドヨン。ドヨン!上手いねえ。この母には共感。誰にも心を開かない。娘すら疎ましく思ってしまう。それはそうだ。あんな事故で、いや、人災で大事な自慢の息子を亡くしたんだもん。私なら10年位は引きこもるかも?
父にソル・ギョング。これまた上手い!名優2人?韓国俳優知らないが、この2人はなかなか。日本人にも馴染めそうな日本人的な顔と奥ゆかしさを感じた。ただ、この父の設定がよく分からない。何してた?何した?どこに居た?という疑問、少しづつは分かってくるものの、ラストまで完全に理解出来ず。これが気になって仕方なかった。
亡くなった者の誕生会を開く、はまだしも、本人からの言葉のような詩とか、会いに来たとか心霊的な表現がこういう事実の物語にはどうなのか?韓国ならではのものなのかな?教室や墓地も何か違和感。みんな一緒にというか一人残らず集いましょう的なことが、協調性欠ける私には奇異に感じた。どうもピンと来なかった。
実話を基にしてる上に若い子の死というテーマで、最後のシーン、泣かないと思っても泣ける。父のラストの号泣は、今までの我慢が一気に噴き出した涙の噴火!黒部ダム放水!黒板五郎の涙!これはもらい泣き。一青窈。
でも終わってみると、セウォル号についてのことは殆どなく、補償金についてもうやむや。結局はただ、家族の物語を事故に絡めたに過ぎない。
はい、天邪鬼なんで。巷は高評価ですぞ。
※おやつは白桃の杏仁豆腐。美味しい。
※夕飯は今が旬のアスパラ。さっと茹でてポーチドエッグをオン。最高!海老と帆立とキノコのグラタン。サラダ。サラダにはヤングコーンを焼いてオン。これも旬だから美味しい。
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