黒川

帰ってきたムッソリーニの黒川のレビュー・感想・評価

帰ってきたムッソリーニ(2018年製作の映画)
3.3
帰ってきたヒトラーのイタリア版リメイク。めっちゃ冒頭から帰ってきたヒトラーなので観てない人は是非あっちも観てね。

2017年のイタリアに蘇ったムッソリーニおいたんがコメディアンとして成功するお話だよ。基本的にドイツと同じです。ドイツほど独裁者を嫌悪していない空気感があり、その点であちらとはまた少し違った雰囲気がある。それは日独が右翼的な政権であったのに対し、伊はファシズム、即ち左翼政権だったためだろうか。あんまりよく知らない。

戦後70年以上が過ぎ、当時の記憶は薄れている。どの国でも失業率が増加し出生率は減り、若者が割りを食っている。この月日でグローバル化は進行し、ヨーロッパには他大陸からの移民が押し寄せていた。これは陸続きのヨーロッパに於いて、多くの先進国が抱える問題だ。第一次世界大戦後ハイパーインフレなどの問題ばかりだった二つの小国に現れたのが2人の独裁者だったが、問題山積の現代に2人が現れるのは必然なのだろう。状況は似ているのだ。皆が誰か強いリーダーを欲している。
では同じく元枢軸国で現在同じような問題しかない日本ではどうなのか。日本はまた彼らと参戦の理由は異なっている。多分五十六とか東條英機が蘇ったらまだ当時の艦隊の船の名前残ってるし、皇室は健在だからむしろ向こうがびっくりすると思うよ。

どちらも基本的に同じ造りだ。ゲリラ的に撮影を行い、道ゆく一般人にインタビューし、そこで本心からの民意を問う。多くの人の口から語られるのは日本と同じような状況を憂う言葉だ。誰だよヨーロッパは先進的で日本は地獄って言ってたやつ。最近読んだウェルベックの「服従」もそんな感じだったぞ。どこの国も同じ問題を抱え、どこも政治に希望を捨てている。何も変わらないから選挙に行かない層はどこの国にもいるようだ。そこに現れる独裁者2人のアプローチの違いがわかるともっと面白かったのだろうが、なにぶん不勉強なのでそこがあまりわからなかった。ヒトラー観たの結構前だし。分かった上で比べてみるときっともっと面白いだろう。女性プロデューサーの役割も、メルケルという女性の首相がいるドイツと首相は男性ばかりのイタリアとでは扱いやキャラクター性が違ったように見えた。

そんでもってドイツのネオナチが割りかしただのポーズだったのに対し、イタリアのファシストの残党は割とガチだったのか?ドイツはゲリラで行ったらみんなやる気なかったよ。イタリアは多分代表の方は役者さんで卓球やってる奴らはマジの党員っぽかった。やっぱやる気ねえ。よく聞く兵隊がやる気ないネタは笑った。砂漠で水全部使ってパスタ茹でた話って本当なのかな。美食の国なのでフリーズドライ技術を開発したのは本当らしい。

個人的に好きなシーンは普通にスマホ使いこなすべニートおいたんです。いくらタイプライター使えても普通こんなちっちゃいスマホでいきなりは文字打てへんやろ。