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盗まれたカラヴァッジョのKUBOのレビュー・感想・評価

盗まれたカラヴァッジョ(2018年製作の映画)
3.5
で、カラヴァッジョはどこ行っちゃったの?

今日は今週末で上映終了予定の『盗まれたカラヴァッジョ』を滑り込みで鑑賞。

コロナ騒ぎで劇場には客はパラパラ。これだけまばらなら感染の心配もないくらい。

1969年、イタリアの聖ロレンツォ礼拝堂から実際に盗まれたカラヴァッジョの「キリスト降誕」の謎が「50年の時を経て、今暴かれる!」ってキャッチコピーには書いてあるけど、これは嘘。

実際にあった未解決事件をモチーフにした作品なので、事件の謎は解けませんな、当然。日本で言えば「3億円事件」を扱った映画のようなもの。

推測される事件の謎そのものを、映画内で映画の脚本にし明らかにしていく、といった粋な構成。

主人公は有名脚本家のゴーストライター。彼女に事件の謎を告げる謎の男。それを快く思わぬマフィアの暗躍。さらに、その裏に見え隠れする政治の思惑。

実際に「改悛者」と言われるマフィア関係者が語った内容をもとに再現されたカラヴァッジョ盗難事件。ただ、作品全体の印象は、盗難事件そのものよりも、脚本の執筆を妨害しようとするマフィアとの攻防や、カラヴァッジョ返還に絡む政治がらみの陰謀に焦点があたり、おしゃれなサスペンスとしてはよく出来ているが、「盗まれたカラヴァッジョ」そのものは闇から闇へ。その辺のところは消化不良かな。

後半、突然大活躍する母親がちょっと唐突。なら、もう少し前からそれらしい伏線をチラつかせておいてほしいなぁ。

でも、この母親役のラウラ・モランテ、1956年生まれ! 63歳! 嘘だ〜!!! 作品内でも主人公の母としては若すぎると思って見てたが、こんなに美しくセクシーな63歳、見たことない! びっくりだ。

イタリア最大の絵画盗難事件を扱ったサスペンス。映画内では語られていないが「キリスト降誕」は、今どこにあるのだろう?
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