駄目なスピンオフの見本。
ヒットした作品は決まって続編を作られがちだが、大体の続編は前作よりも予算が増え、単純にパワーアップさせただけで、基本的な中身は前作と同じなパターンが多い。
B級スプラッター映画なら、単純にパワーアップさせただけの続編でも前作よりも面白くなる事もあるが、それ以外のジャンルは作品の本質を見失って前作よりも糞になる事が多々見受けられる。
中でも「カメラを止めるな！」のように一発勝負のアイデアを活かした作品の続編は、単純にパワーアップさせただけではなく、何かしらの大掛かりな変化を加えないと間違いなく前作よりも糞になる。
そして「カメラを止めるな！」のスピンオフである本作はというと・・・。
アイデアは前作と同じで、更にあらゆる面でパワーダウンさせただけのパクリ映画のような出来になっている。
前作は、前半劇中で起こる様々な不可解な現象に違和感を持ちながらも、後半明らかになる過程や衝撃が良かったのだが、本作はそれと全く同じアイデアを使ってるので、本来なら違和感を感じるであろう場面でも、
視聴者「あー、多分何かしらのアクシデントがあったんだろうな・・・」
と思ってしまい、後半その違和感が明らかになっても特段衝撃を受けることはない。
しかも、人文字であるものを表現したり、カツラはぶっ飛んだりと前作よりも表現が下手になっている。
あと、娘の恋愛は物語上に活かしているからいいものの、奥さんが英会話教室の先生と不倫を匂わせる部分は、物語上を活かしている訳でもないので特段必要とも思わない。
せめてラストに何かしらの捻りを加えていたら、評価は違っていたのかもしれないが・・・。
何というか、初見で「カメラを止めるな！」を鑑賞する際に、ネタが分かっている状態で鑑賞したら、どのように感じる事が出来るのかを体験出来た。
