ほ

幸福路のチーのほのレビュー・感想・評価

幸福路のチー(2017年製作の映画)
4.1
やっぱりアニメっていいなあ〜と冒頭から涙が滲んだ…!監督は元々実写畑の人らしいけど、個人の思い出や空想、あと現実さえも統一されたファンタジーの世界観で彩れてしまうアニメーションという表現方法が非常に活きた作品でした。
台湾では長編アニメを作るスタジオがなく、監督自らアニメーションスタジオを設立したそうで、その熱意に感服。
しかもちゃんとノスタルジックで暖かくて綺麗すぎないアジアの空気感が表現されていて、れっきとした”台湾アニメ”だった。車の排気ガスがピンクなのがよい。チーが友達とガッチャマンの歌を歌うシーンも台湾っぽい。私はもっともっと台湾のアニメが観たいぞ〜!!

内容は思ったよりずっと大人向けの作品だと思ったけど、チーの空想の世界がアニメーションとしてすごく魅せてくれる。動く絵本みたいなテイストが可愛いし、そういうシーンが浮かないのがアニメの良いところだな。

台湾の歴史はちゃんと知ってから観た方が楽しめるかも。あとテンポが早すぎて途中から過去と現在の時間軸が混乱したのは私の理解力が足りないせい?

ノスタルジックな淡い色合いと優しい中国語(台湾語か北京語か私にはよくわからないので勘弁)の響きが観賞後もフワフワ私の中にある。
永遠に続く幸せなんてない、だけどその人の心の中に残り続けるものは必ずあるのね。この作品もきっとたくさんの人の心に優しく寄り添い続けるものになると思う
ほ