ユウサク

ミッション:8ミニッツのユウサクのネタバレレビュー・内容・結末

ミッション:8ミニッツ(2011年製作の映画)
1.1

このレビューはネタバレを含みます

配信に無いし褒めてる人しか見たことなかったのでBlu-ray買ったんだけど……。

あらゆる「考察」の内容を認めたうえで、その「考察」の内容が作品の中でしっかりと描かれていないので嫌い。並行世界、過去未来概念の消失、シュレーディンガーの猫、結構!それを映画の中でちゃんと描いて!余白とかいらない。別の世界のエンディングということなら髪色変えるなり、衣装変えるなり、配役が変わっているなり、やり方はいくらでもあるでしょ。「どちらとも取れる」表現は好きじゃない。
あと爆弾犯って捕まえたら終わりじゃないよね。爆弾の解除は?犯人が自供しなかったら?だから犯人が捕まった後また電車に戻るって言った時、その解除の方法が見つかると思ったんだけどマジでただ戻るだけだったので拍子抜けした。そもそも携帯を引っこ抜いたら解除できるってそんな爆弾魔いる……?バンに乗ってる爆弾めちゃくちゃヤバそうだったのにあれはほっぽらかしだったし。
やっぱり脚本は下手なだけだし穴が多いから解釈の余地があるだけ。『スリー・ビルボード』と一緒。

で、SF設定を看過したとしてもループものとしてのディテール、車内でのアクションやストーリー展開が全く面白くない。姿も見てない親父との関係なんか知らないし、急にキスして「……もう。」みたいなやつ古臭いし、コメディアンに乗客を笑わせる件が余りにもリアリティないし色々と酷い。
一番無理なのが倫理的な側面。生前同意もしてない人体実験を「いやもう書類上は死んでるんで」と強行していることに何のエクスキューズもないの変でしょ単純に。一回成功したくらいで助成金なんか出るかい。メイキングで監督が「シカゴの人々を救うという目的があるから正当化される」とか言っててこいつヤバいなと思った。離婚よりも結婚の方が望ましい、みたいなセリフもあったしダンカン・ジョーンズ嫌い。そもそもクリスティーナの存在がめちゃくちゃトロフィーワイフだし、女性を描けない監督なんだろう。
また死後の世界があるみたいな描き方なのも癇に障る。度々感想に書くけど「死は死」なので。

大嘘をつくけど、その大嘘の中で辻褄を合わせるのが映画だと思ってるので辻褄を合わせようともしてない作品は明確に嫌いです。
ユウサク

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