滝和也

ミッション:8ミニッツの滝和也のレビュー・感想・評価

ミッション:8ミニッツ(2011年製作の映画)
3.8
過去なのか…。
記憶なのか…。

時間と人の心と
量子力学と。

完全文系、歴史にゃ強いが物理学は全くわからない私は通常考えると眠くなる…お話なのですが、こいつは中々見応えのあるSFの佳作でした(^^)

スティーブンス大尉は見知らぬ電車内で目覚める。知らない女に話しかけられ、パニックになるうちに電車は大爆発…。再び目覚めると狭いコクピットの様なカプセル内。モニターから知らない女が言う。過去にダイブして電車爆破犯人を捕まえろと。時間は8分。それがあなたの任務だと…。

多層構造化した世界観がまず面白いですね。電車内・カプセル・そして○○と存在自体が多層化している。更に電車内ミッションは正に平行世界の様に毎回変わる。幾重にも層を重ねていくが如く。その広がり方が面白く、難解、かつ見るものの解釈を広げてますよね。

まぁ、たった8分で犯人を見つけろってのはかなり酷なミッションですが、何度もやり直しがきくゲーム的展開なので面白いけれどお話的にはやや冗長に…。それと、犯人わかりやすいんですよ。爆弾犯だもの…。右京さんなら一発で終わります。

そこより世界観や別の真相を楽しむべきなんでしょうね。ラストに向けて大尉の真相がわかり始め、そこで世界観も面白くなる。ラスト近く、あのキスは好評だろうし、ラストはあれはあれで解釈を広げるよいラストです(^^)

ジェイク・ギレンホールはいつもながら巧い役者さんだなと感心しますし、ダンカン監督はD・ボウイの息子ですが七光ではないですね。見事に多重構造のSF的世界観を操り楽しませてくれました。お金もあまりかかってなさそうだし、まさに佳作です(^^)

因みに私、疲れが出て寝落ちしたんですが、愛読させて頂いてるフォロワーさんが言ってた様に巻き戻し大変でした…。どこに戻っても同じなんだもの…。
滝和也

滝和也