すずき

ミッション:8ミニッツのすずきのレビュー・感想・評価

ミッション:8ミニッツ(2011年製作の映画)
4.2
…アメリカ陸軍スティーブン大尉が目を覚ますと、そこは知らない列車内だった。
彼のことを「ショーン」と呼ぶ見知らぬ女性。ポケットには「ショーン」の身分証。鏡を見ると、そこには「ショーン」の顔。
彼が目覚めて8分後、列車全てを巻き込んだ大爆発が起きる。
…スティーブン大尉が再び目を覚ますと、そこは謎のカプセルの中。
モニターに映る女性、グッドウィン大尉が言うには、彼に再び「列車内の8分」を体験してもらい、爆弾を仕掛けた犯人を見つけてほしい、との事だった。
…スティーブン大尉は、三度目を覚ます。列車内は、先程と全く同じ様子だった…

ループものは脚本が命!
この作品も良く出来てて、8分間の短い時間を何度も体験し、非常にテンポよく93分突っ走る。
その中に、サスペンス&ミステリーあり、ラブロマンス&ヒューマンドラマあり、そしてSFありと、幕の内弁当のような様相。
そして最後は予想していなかった感動の美しいクライマックス!トゥルーエンドって感じの大団円でスッキリだ!
あ、でもグッドウィンさんのその後の処遇は少し気になる。
監督のダンカン・ジョーンズは「月に囚われた男」でも脚本が良かったし、複雑になりがちな設定を上手に見せてくれるね!

事件の被害者の脳を利用した映画内の装置は、被害者の過去の記憶を再現するVRのようなもの…どころではない!
詳しくは説明されないけれど、量子力学の理論を応用した、ある一定の過去の宇宙中の素粒子の状態を、脳に残る記憶を基に演算し(?)、それを主人公の脳内で再現するスーパーオーバーテクノロジーなSF装置(たぶん)!
だから、被害者が知りようのない犯人の情報でも、再現された8分間の中で調査する事が出来る。しかし、タイムトラベル装置ではないので、過去を変える事は出来ない…劇中の僅かな装置説明を私の妄想で補完。
でも実は、装置にはまだまだ知られざる能力があり…うーん、SF!

しかし一つ分からんかったのは、爆発8分前の列車内に犯人がいる、って情報はどこで掴んだのだろう?説明あったっけ?