ころっぷ

ペイン・アンド・グローリーのころっぷのレビュー・感想・評価

3.5
人生の残酷な面と美しい面とが、独特の色使いで彩られ、緩やかに浄化されていく。主演のアントニオ・バンデラスの抑えた演技が素晴らしく、目の表現力が台詞以上に物語っている。幼少時代から現在までを貫く、愛情に飢えた物憂さと、愚かさと聡明さを併せ持つ人間性を全身全霊で表現している。監督にとって自伝的な作品は特別だろうが、観る者にとっても感慨深い作品になっている。