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ペイン・アンド・グローリーの3Dメガネのレビュー・感想・評価

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『ペインアンドグローリー』
公開中🎥🎥🎥
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※ネタバレあり
※以下主張は全て個人の考えに過ぎません
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【テーマ】
[痛みと昇華]
今作はアルモドバル監督の半自伝的作品であると言います。
主人公は映画監督。そして彼が映画を撮れなくなった状態で始まる。
劇中、彼は過去を回想するように
旧友、元恋人、初恋と再会します。
そしてその背景には母親の姿。
過去の繊細な記憶を書くことで昇華させることを描いていると解釈しました。
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この蓋をしたい部分を書くことで昇華すると言う行為は、私も行います。
仕事やプライベートで起こった出来事などを日記に書くことで
心の内から外へ出すということをします。
抽象的な鬱憤を具体化させるということです。
具体化してしまえば、何か理解できたようや気になり、反芻思考から逃れる事ができます。
思うに過去に縛られるという状態は
反芻思考の仕業が大きいと思います。
答えがないのを知りながら答えを探そうとグルグル回るんですね。
そして出られなくなってしまう。
一種の中毒と言っても良いです。
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そしてこの作品では三重構造になっている事がラストに明らかになります。
アルモドバル監督が今作を描き、その劇中の主人公が過去の回想を撮っている、という事実が明らかになります。
作中、彼は過去を回想しているようで
実は昇華活動をしながら前に進んでいました。
過去を振り返っているようで実は前に進んでいるということを描きたかったのではないかと思います。
振り返り、具体化させる過程は過去ではなく未来を向いていると。
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