しっとりと厚みある良いものを観た、バンデラスさんファンで良かった
積年のわだかまりを１つずつほぐして再起する初老の男性、30年以上の時の流れがゆっくりと彼を動かし始める、よろめきつつ再び社会に踏み出したその一歩から静かに起こる偶然は、言えばファンタジーだが浮つきを感じさせない、地味に刻んだ歴史からの贈り物のよう
とにかく目力が半端ないバンデラスさん、変な色合いのTシャツと上着に寝ぐせ頭でぼさっと立つ姿さえ色気を感じる、懐かしの彼との半泣きの対面、母への複雑な思いと温かみある細かい仕草、苦しい胸の内をついに語り光る瞳…表面が静でありながら内の熱を常に感じるその籠り具合が絶妙、こんなダンディがこの世に実在するとは、眩暈がする…
キャスト紹介や病状の説明のややサイケな映像が良いスパイス、子役がつるっとした美少年であることも想い出の美しさを引き立たせる
[ EL PRIMER DESEO ]
[ 君の映画はすべて僕の人生の祝祭だ ]
