bebemama

ペイン・アンド・グローリーのbebemamaのレビュー・感想・評価

4.2
「ボルベール」を観てからアルモドバル監督の事が何だか気になり、この監督の自伝の様な映画を観ようかと

脊椎を痛めていて、床に落としたものも床に膝をつかなければ取ることが出来ない(おまけに、膝をつくためにクッションをまず置かなきゃならない)
その他にもあちこちが痛いし、喉も詰まる
身体の調子が悪いと、精神もやられる
密接な関係だった母親の死からも立ち直れてない
何もやる気がない、映画監督

時々挟まる母親との記憶
その思い出がみずみずしい
ペネロペ・クルスの母親はたくましく、やはり美しい!

赤はやはり美しかった
あの監督の家が美術館そのもののような美しさ

昔の映画と仲違いした主演俳優との関係や、やり取りが面白い
その関係が改善されてから、彼にとって良い方に向かっていく
別れた昔の恋人は彼を肯定し
そして、少年時代のあの彼との思い出は、思いもかけず優しく自分に返ってきた

過去の様々な痛みは、痛みだけではなかった
それに気付いた時、監督の再生へ、、、

アントニオ・バンデラスの繊細な演技が、本当に素晴らしい!(彼の声が好き!)
彼の名前は良く知っていたが、出演映画をあまり観たことがなかった
アルモドバル監督作品には欠かせない俳優さんらしいが「私が、生きる肌」しか観てないので、その他も観てみたい!

何となくユーモラスな所があるのもいい

ラストは映画愛に満ちている
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