こたつむり

レベル16 服従の少女たちのこたつむりのレビュー・感想・評価

レベル16 服従の少女たち(2018年製作の映画)
3.5
♪ 原っぱの真ん中で いつか
  語りあえればいいよね
  遠くまで見つめてる 君と
  透きとおる風の中で

微妙な映画…でも嫌いになれない…。
というか、この「少女たちを監禁して教育する」シチュエーションがとても素敵…って、何かヤヴァイ性癖が目覚めた気がしますが…気のせいですよね。

何よりも主人公のビジュアルが最高なんです。
中盤までは髪を上げてキリっとした感じですが、終盤に向けて“崩れていく”姿が刹那的で美しいのです。見上げる表情が特に良いんですよね。背筋がゾクゾクします…が、それも気のせいですよね。

演じたのはケイティ・ダグラス。
カナダの女優さんですね。ハリウッドに進出するのは難しいかもしれませんが、マーベル辺りで起用される可能性もあるはず。かなり妄想寄りの願望ですが。

それにしても、カナダの映画は鋭敏ですな。
あの名作スリラー『CUBE』もカナダの作品ですが、陰々滅々としたサスペンスを生むための土壌があるとしか思えません。日照時間の短さとか、鬱蒼とした森林が多いとか…そんな土地柄が関係するのかも。

その雰囲気は本作も顕著です。
閉鎖された建物で管理されている少女たち。
昆虫採集で飾られた蝶のように硬質で美しいのに、脆くて刹那的。この筆致は日本やアメリカでは再現できないと思います(東欧ならば出来るかも)。

しかし、物語と設定と予算はアンバランス。
冷静に考えると、施設を運営するための収支や(黒字になるまでには時間が掛かりすぎる)、管理スタッフの人数とか…色々と粗が見えてしまうのです。この辺りは自身の想像力と補完力と要相談ですね。

まあ、そんなわけで。
某有名漫画の規模を縮小したような物語。
基本的に雰囲気を楽しむ作品なので、整合性とか脚本力を楽しむつもりならスルーが吉です。また、場合によっては歪んだ欲望が目覚める場合も…もももももちろん、僕は大丈夫ですよ。地下室にヤヴァイものなんてないですよ。

というか地下室が欲しいな…うひひ。
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