このレビューはネタバレを含みます
2時間の上映中、半分は泣きっぱなしだった。
女性が、女性であるということで削られていく現実がひたすら辛い…。
痴漢にあったら、女性の不注意だと言われ、就職が決まらなければ嫁にいけと言われ、嫁に行けば子供を産めと言われ、女の子を産めば男の子を産めと言われ…。昇進も男が先、育休明けて時短で働けば、お荷物扱い、社会がまったく追いついてない。
家庭でもそれは変わらず、実家に帰れば嫁は家政婦同然に働かされ、同じ立場だった義母からの理解も慰めも労いもない。
救いは、実の母がそういう古臭い考え方をきちんとおかしいと思えることだが、その母も自己犠牲のもとに家族を支えたくちで…。
コン・ユ演じる旦那さんは(コン・ユ久々に見たけど、カッコイイな…)、かなり理解のある優しい旦那さんだけど、彼女を理解は出来ない。こんなにいい旦那さんなのに、だ。孤独感が加速される感じがした。埋まらないものがありすぎてしんどい。
徐々に心を蝕まれていく結果、別人のようになったりもするが、終盤その事実も受け入れ始める姿に涙が止まらなかった。少しづつ、前に進んでいくしかない。
同世代として、猛烈に心に来る久々の映画であった。
ありえない設定の韓国ドラマも楽しいけど、人の心の機微を上手に丁寧に描く韓国映画も良い！
