高校時代にアジア通貨危機(1997年7月)を経験し、不景気の煽りを受けた1982年生まれの女性の生きづらさを訴えてくる。情緒的で洗練されたストーリーにかなり感動した。
お父さんは息子のことしか考えておらず、ジヨンを救ってくれない。
お母さんは家計のために先生になる道を捨て、工場で洋服を作った過去があり、それに対してジヨンは自責の念を抱いている。
儒教文化を顕著に表したような家族に生きづらさを感じているのに加え、寿退社後での新しい家族でも育児と家事に忙殺され、キム・ジヨンはどこか閉じ込められているように感じている。
ジェンダー問題や社会問題を混じえつつ、綺麗な着地で締めくくられた良作だった。