原作は図書館で以前に読みました。アマプラで数年越しに視聴。原作とは違っていて、著者の回想記と現在が区別されていず、ドラマの中に順次出てくる作りになっています。ただ過去の回想シーンとの区別がすぐにつきにくい場面もありました。
話は私は専業主婦なので、この方のようにずっと働き続けていたわけでなく、またこの方の母親のように働いていたわけでもないです。しかし見ていて子供が三歳ぐらいの時復職を焦ったり、精神科に行くようになったのもほぼ同じだったので、見ていて共感できました。こういう問題は現代では万国共通のようです。ただ憑依について、いらぬことを口走ること以外は、ただの死んだおばあさんが来ているだけに思えて、周囲が特別視しているのが、やはり今から数年前の作品という気がします。あの頃は書店でもスピリチュアルの棚にそのような本が山積みになっていました。韓国でも民間の宗教では巫女みたいなことはあったのに、現代ではそれが薄れていて、こんなことになっている感がありました。
そんなわけで精神的な話よりも、ジェンダー差別や姑問題の話が印象に残りました。韓国では日本以上に男女間の差別が厳しいと聞きます。ママ虫という独特の言い方もあり、これは日本ではあまり聞かない言葉です。主人の実家への里帰りを強要されたり、常備菜を山ほど用意しないといけなかったり、とにかく母親を取り巻く環境が非常に悪い感じを受けました。しかしその一方で、この主人公の家庭が比較的裕福である気がして、そのあたりが見ていて私自身よりいい暮らしの人だと思い、そのギャップが見ていてありましたです。それでも見て損はなかったと思いますし、同じようにこの空の下で女性問題で苦しんでいる人がいるというのは、勇気づけられるお話でした。最後この著者が文筆業で身をたてられたのは、いい結末だと思います。