まさに、おおよそ同世代。
このある種の焦燥感と喪失感、理解できるなぁと思って、感情移入するところが多かった。
自分の気持ちを押し殺すか、あるいは図太く図々しく主張するか、そのどちらかでやり過ごすか乗り越えるかしかない一時期の檻のような時間。
女は(とか男はとか言ってはいけないのがこの映画のキモなんだろうけどけど、ここはあえて一般的にの意で「女は」と言わしてもらう)、ある時に一瞬「個」である自分を見失いがちなんですよね。
「○○さんの妻」「○○ちゃんのママ」「○丁目の奥さんまたは○号室の奥さん」と呼ばれて、唐突に個のアイデンティティを失う。
そこにある種のブランドを見いだせれば、そこでの承認欲求を満たすことで解決するのだけど(これはまた別の話として)、そうじゃなく、「ありのままの自分」のようなものは自分ですら評価することが難しくなる。
ジェンダー的な話とともに、ロールモデルを持ちにくい、女性のキャリア形成の難しさについての話でもあったように思う。
(それくらい、出てきた全ての女性のパターンが全て異なっていた)
ちなみに、私はあえて夫と見に行ってみたけど、これは男性にも、なんなら夫婦でカップルで見てほしい映画かもしれない。