てんやもん太郎

82年生まれ、キム・ジヨンのてんやもん太郎のレビュー・感想・評価

82年生まれ、キム・ジヨン(2019年製作の映画)
4.3
眼がいい。
声がいい。ちゃんと身体から出てる。
少ししか出ない俳優のレベルが高い。

ハチドリといい、本作といい、韓国は今、こういう作品が多いのかな。
しかしこの問題は多分世界のどこにでも多かれ少なかれあるし、
日本からこの手の映画は出て来ないのかしら。それとも出てるけど話題になっていないのか。

自分がなぜここまで感動したのかと考えると、社会的なことというより、
内容も素晴らしいのだけど、それより俳優の演技に感動したんだろうな。

大概の人は普段の生活において、上手くやりくり、やり過ごしたい。
怒りたくないし、傷つきたくなし、その傷を見たくもない。
しかし、台本において怒ったり、傷ついたりする役目を俳優が全うする中で、つい忘れてしまう、本当は〇〇したくないという感覚。
この感覚がとても大事に演出されているような気がした。
もしくはそういう俳優が集まっている。
下手な俳優だとその役目にだけ全力を出してしまう。

結果として傷つけてしまう人も、傷つく人も、単純に加害者、被害者というどっちが悪いみたいなことになっていない。社会とか、慣習とか、常識とかの影響があるだけで。それぞれの思い、思いやりが、うまく行ったり、いかなかったりの塩梅もいい。演技のバランスというのか、、

また、言葉を発するまでの葛藤も素晴らしい。

あと、韓国映画って最近いつの間にか、服がオシャレになってきている。
というか、独特の色の合わせ方が消えて、洗練されてきている印象を受ける。

レイトショー、9割女性客だったなー。