品川巻

淪落の人/みじめな人の品川巻のレビュー・感想・評価

淪落の人/みじめな人(2018年製作の映画)
4.7
話が綺麗すぎるのは否めないけど、素晴らしかった......作中の言葉を使うと"クソありがとう".......
特に突飛なことはないベタな展開だけど、どうにも涙が止まらなくて困ってしまう。カメラのシーンなんて特にずるい。(何より、二人の関係に色恋が混じらないのが本当にいい)

設定からか『最強のふたり』と比較されることが多いけど、ライトすぎないのが好みの人にはこちらがおすすめ。
「人の夢を応援すること」と「自己犠牲」は平行させる必要はないのに、ここまでやるかというほど、2人の思いやり合戦は続いていく。
そして登場人物全員があたたかい、自分がちっぽけな人間に見えてきてしまうほどに。

「上手くやるコツはバカのふりをすること」
職を失わないための術を共有するシーンで貧困や移民問題に切り込みつつ、逞しいフィリピン人女性たちの変化も自然に描いているのは、問題提起として程よいバランスだった。

エヴリンが撮る写真も、エヴリンに撮られるチョンウィンの照れ笑いも好きだったなぁ。大事な映画が増えて、良い日になった。
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