家族全員がおばあちゃんに病気のことを内緒にするため、嘘をつくというのが物語の主な内容だが、それはなぜか?心配してほしくないから。重く感じるかもしれないが、この映画を観た我々、あなたも同じことを毎日のようにやっているはず。
オープニングシーケンスでビリーとナイナイのこんな会話が興味深い。
ナイナイ:ニューヨークは寒いだろう。暖かい格好してる?帽子被った?
ビリー:帽子被った。(嘘ー被ってない)心配しないで、ばあちゃん。
中略・・・
(電話から聞こえてくる病院のアナウンス)
ビリー:何の音?今どこ?
ナイナイ:リトル・ナイナイ家に来てるよ。
(嘘ー病院で結果を待っている)
大切な人に心配かけたくない、だから小さい、そして優しい嘘をつく。本作ではおばあちゃんのために家族全員が嘘をつくことになるけど、我々は日頃から同じことをやっている。ご飯ちゃんと食べてる?友達はできたか?仕事は大丈夫か?と誰かが心配すると本当はそうでなくても普通に嘘をつくことがある。それは恥ずかしいからではなく、心配してくれてる相手のため。ナイナイの命がかかっているから大きく、そして特別なことのように感じるかもしれないが、実際は毎日のようなこと。それが家族というもの。