Reiren

フェアウェルのReirenのネタバレレビュー・内容・結末

フェアウェル(2019年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

「これはウソに基づく物語である」という、
ハリウッドでよくある実話ベースをパロった
出だしから、何か仕掛けがあるのだろうとは
思っていたが、まさかのラスト

笑ったし、思いがけず泣かされた

老女ナイナイ本人だけがガンで余命3か月とは知らず
家族が皆知っている、しかし知らせないという
シチュエーション

可哀そうだから「知らせない」のは
東洋風な考え方で、
ヒロイン、ビリーが暮らすアメリカでは[
当人には「知る権利」があるから罪になるのだとか

大皿料理を皆でつつく中国では普通のことかも
しれないが、食事の場面で家族皆がナイナイに
料理を箸でよそうのが、言外の気持ちが感じられて
切ない気分になった

ナイナイの為に、離れて暮らす家族や親戚が集まる
理由が孫のウソの結婚式だったり、
披露宴で孫(新郎役)が皆とゲームしていて泣き出し
車の中でも泣いているのを皆はナイナイに
「(結婚式で)感極まって」と言うが
観客はヒロインを大泣きさせずこうさせた本当の
理由を重ねて見ていたり、
ラストシーンに繋がる伏線とラストがいかにも
中国らしくて効果的だったり

観客の気持ちを上手くリードしスライドさせる脚本
自然な演技の俳優やキャストもとても良かった

死期を知らずに言う、ポジティブシンキング
ナイナイの言葉
「人生は何を成し遂げたかではなく、
どう生きるかが大事なの」
ガンと知ってもきっとこの人はそう言いそう

A24は監督兼脚本の、中国生まれアメリカ育ちの
ルル・ワンと、いい仕事をしたと思う

音響もさりげなく良かったし、ユーモアのセンスもいい
度々登場するご馳走(中華料理が食べたい!)が
美味しそうだった
皆揃って食事をするって、いいですね
Reiren

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