mrかっちゃん

ラストブラックマン・イン・サンフランシスコのmrかっちゃんのレビュー・感想・評価

4.2
A24とプランBは映画ファンなら聞いただけで信頼できる映画制作会社が久しぶりにタッグを組んだとなれば自動的に観ることが確定されてしまいますw

黒人差別、貧富の差を題材にした格差映画はここ数年間で沢山量産され賞レースにも選ばれていますが、今作はどの格差映画より変わった視点から格差を描いています。
「パラサイト」「ジョーカー」のように映画の構図としてはっきり伝えず社会のシステムとして根付いてしまっている物としてごく自然に映し出している事と、貧乏を汚らしく悲観的に捉えておらずこれが私たちの生活の一部なんですと映し出す事で、逆説的に格差問題を伝えることに成功している。

家を取り戻してまた住もうとするのが物語の本筋になりますが、裕福な白人が住むようになったエリアに貧乏な黒人が住むという構図自体が差別へのささやかな反抗にも捉えることが出来ます。

映画内の情報の提示の仕方も考えられておりまるで小説のような一面を持った作品でした。