阪本嘉一好子

ラストブラックマン・イン・サンフランシスコの阪本嘉一好子のネタバレレビュー・内容・結末

4.6

このレビューはネタバレを含みます

この映画を飛行機の中で観た。色々の課題があるので、それを考えてここに全部書くと書きすぎるから、ジミーの友達モントに焦点を当てて書く。

日本で公開されるかどうかわからないが、米国、特にサンフランシスコの歴史がよくわかっていると面白いしそれに、太平洋戦争の時、日本人が強制収容所に入れられ、その後、その空き家を買って住みついた人々や、第2時大戦/太平洋戦争が始まって、出兵したため、労働力として南部から来た人たちの歴史も加えて観るともっと内容が理解しやすいだろう。
それらが、ジミーの (ジミーフェイルズ)のお祖父さんが建てたと思っているフィルモアのビクトリアハウスの話とかみ合っているからだ。この中で、ジミーの親友モント(ジョナサン メイジャーズ)の心の動きと行動が気になった。モントはおじいさん(ダニーグロバー、実際もサンフランシスコの住人)と一緒に住んでいてテレビ番組を見ているシーンでも、明らかに仲のいい二人だとわかる会話をしているし、共通性があるし、このおじいさんはジミーとモントを精神的に明らかにサポートしている。「二人は一緒でなければならない」と。兄弟のように家族のように助け合って育てという意味だと私は解釈した。

モントの役はちょっとオタク風で、ゲイ風で自閉症があるようで、芸術方面に長けていていて、よく本を読んで、語彙が豊富で、表現力があり、私の憧れのジェームス ボルドウィン(彼は自閉症がないとおもう。ゲイ)のような感じだ。ジェームスボルドウィンがアメリカを捨ててフランスに逃げたように(私の解釈かも)モントの考えていることや表現力や芸術肌などは、この辺住んでいうチンピラの(ごめんね!)仲間には入っていくのは難しい。チンピラはすでに仲間じゃないと思って異質なものとして二人を見ている。モントは鏡の前に立って、Fの言葉を入れて話し始める。ひどい言いかた(まあ、クラスでこのような話し方をすれば、罰則をもらう。)を練習する。自分も彼らに合わせようと練習して努力してみるが、それは自分の本当の姿ではないと気づく。このシーンが好きだ。

コフィー(ジャマール ツルーラブ)というチンピラ(ごめん!映画から私が勝手に判断しているかも)たちの使っている言葉はちょっとひどいが、モントと二人は一瞬お互いいに惹かれ合う(?)。そして、コフィーは モントがジミーのビクトリアハウスに招待したことにより、全く考えられない、ジミーとモントの世界に一瞬入り込む。でも、殺されてしまう。

その後、コフィーのために(?)モントは「The Last Black American in San Francisco」という劇を作りそれをジミーのお祖父さんが作ったと思っているビクトリアハウスで近所の人を招いて講演する。コフィーを知らないソーシャルメディアにも投稿する。そして、講演で、モントは観客にコフィーの思い出を話させる。そこで、最後に、モントは皆の前でジミーにお祖父さんがつくったと思ってるがそれは実際は嘘だと。

モントにしてみるとこのビクトリアハウスはおじいさんが建てたものだと信じ込んでいるジミーの言動などをサポートしていたが、現実を見ろと言いたかったのかもしれない。わからないが。