バレンタイン

HUMAN LOST 人間失格のバレンタインのレビュー・感想・評価

HUMAN LOST 人間失格(2019年製作の映画)
3.7
原作既読

一切前情報なしで、ネットフリックスのおすすめに偶然出てきたので観たけど結構面白かった。

SF部分の整合性もきちんとしているし、世界観や設定も現代の日本の社会構造を映し出していて挑戦的というか風刺作品としても良く錬られた脚本だった。

個人的には太宰治の『人間失格』がベースにあるっていうのにも納得したんだけど、これは人間失格の解釈にもよると思う。結局ヨシ子を実際的な人物と捉えるか、比喩として捉えるかで違った評価になると思う。

ただ、幼少期の生い立ちに関する描写が極端に少ないのがこの映画の良くないところで、そこがきちんと説明されないと主人公の行動原理とか思想、人物像が曖昧なままになり説得力が皆無。それが不評の原因なのかなあ。

僕自身は人間失格って太宰の自伝では無いと思っているので、まあ解釈が自分の考えと似通っていて共感したというか。

単純にアニメとしてのクオリティも十分高いと思うので、久しぶりに面白い日本のアニメに出会った感じ。

とっても面白かった!
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