Norisuke

HUMAN LOST 人間失格のNorisukeのレビュー・感想・評価

HUMAN LOST 人間失格(2019年製作の映画)
3.0
医療革命によって実現された超長寿社会。しかしながら、特権階級の住むインサイドと貧困層の住むアウトサイドの二極化が進み、貧困層は死ねない身体で16時間働くことによって富裕層の社会を支えていた。ある日、親友の竹一に誘われてアウトサイドからインサイドへの侵入を試みた大庭葉藏は、その途中で竹一と共にロスト化してしまう。危うく絶命しそうになったところを、SHELLの幹部である柊美子に助けられて…な話。
SFものというと難しげな専門用語を並べ立てて視聴者を置いてけぼりにするのは、日本人の悪い癖なのだろうか。
太宰治の「人間失格」を元にアレンジした、という事で、『AKIRA』っぽい世界観なのに日本人名フルネームな登場人物達なのが面白い。渋田機関のヒラメやら、バァのマダムやら、原作の登場人物達をきちんと用語や人物として採用しているのはいい。堀木正雄が色白眼鏡なのには納得いかないけれど…。
前半のゾクッとさせられるさりげないディストピア描写や変身が解けると全裸になるダークヒーローなど雰囲気はいいものの、結局、堀木正雄も柊美子も何を目指したかったのかが有耶無耶にされて強引なアクション&爆破シーンで終わらせられてしまったのは残念。
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