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劇場版 ファイナルファンタジーXIV 光のお父さんのRIOのレビュー・感想・評価

4.2
母と妹と共に実家暮らしをする駆け出し社会人・アキオの元に、突然単身赴任だった還暦の父が退職して帰ってきた。寡黙な父は理由も語らず、毎日を呆然と過ごすだけ。幼少期は共にゲームをすることもあった父の本音を何とか聞き出せないかとアキオが実行したのは、自身も没頭するオンラインゲーム「ファイナルファンタジーXⅣ」を父に始めさせ、自身の正体を明かさずにゲーム上で仲良くなろうという計画だった。

"光の戦士"ならぬ"光のお父さん''。
親子の絆を取り戻すための斬新な"光のお父さん計画"を息子である一般男性が綴ったブログが原作となり、ドラマ化を経て映画化された作品。
FFは零式しか完クリしておらず、オンラインゲームもあまりしないというにわかっぷりながら、ブログが面白かったのと吉田鋼太郎なら絶対いいだろうな〜という始まりから気になって気になって、つい劇場に足を運んでしまいました。
人気ブログの実写化もゲームのコンセプト映画もあまり信用してないタチだったものの、今作は素晴らしかったです。父と息子、寡黙すぎる性格、家族のスタイル的に個人的には共感性の低い設定ではあったのですが、そう言えば初めて買ってもらったゲームは家族ぐるみでハマっていたなぁ、なんて事を思い出してしまい、回想シーンやラスト付近ではボロボロ泣いてしまいましたよ。主人公の若手社会人としての奮闘も副軸にあり、なんだか来年からの社会人生活を密かに指南されたような気も笑
吉田鋼太郎は言わずもがな、朴訥で誠実な青年を演じるには坂口健太郎がすごくいいキャスティングで、ゲームの用い方や親子の交流、懐かしさや家族愛が蘇るような構成がすごく綺麗でまとまっていました。ドラマ版は故・大杉漣と千葉雄大だったそうでそれも良さそうですが、映画版も何ともハマり役な主演お二人が印象的でした。明らかな悪者も出てこないし、気のいい上司の佐藤隆太や媚びない可愛さを持った佐久間由衣、個人的には高校時代追っかけてた俳優集団「D-BOYS」のまーくんこと和田正人の出演も嬉しかったです◎
ゲームに不慣れな堅物お父さんゆえに笑えるシーンも多々ありながら、父と息子の物語にはめちゃくちゃ泣かされ、単純な面白さも感動要素もちゃんとしているので特に文句のつけようはなし。

最近劇場で邦画を見ることは少ないのですが、この自分の日常に寄り添ってくれる感じが良さですよね。シンプルなお話ですが、とても胸が温まり、FFXⅣもまんまとやりたくなりました笑
ゲームシーンは美麗なグラフィックだったのでスクリーン映えし、声優さんも有名な方ばかりで、登場人物もそれを演じるキャストも好感度は抜群だったので観に行って良かったです。すごく幸せな気持ちになれた作品でした!
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