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劇場版 ファイナルファンタジーXIV 光のお父さんのsomaddesignのレビュー・感想・評価

3.0
父の現実とネットのギャップより、息子が美少女キャラ使いなのを知った時の親の顔を見てみたかった

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仕事一筋だった父が、ある日突然会社を辞めて家に帰ってきた。1日中ぼんやりとテレビを見ている父。母と妹は遠巻きにながめていたが、仕事ばかりで寡黙な父の本音が知りたい息子アキオは、オンラインゲーム「ファイナルファンタジーXIV」の世界に父を導く。ネットゲーム世界なら本音で話し合えると思ったからだ。自分は正体を隠し、父とともにゲーム世界で冒険に出る。顔も本当の名前も知らないゲームの仲間たちに励まされながら、父と冒険を続ける中で、アキオは家族もこれまで知ることのなかった父の意外な一面を知ることとなる。

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Netflix版がすごく評判で、今は亡き大杉漣さんと千葉雄大の取り合わせはサムネにも映えて、興味を持ちつつ見れてない。
マイリストに追加するときはノリノリなのに、追加した途端に宿題みたくなるのなんでだろう? リストが溜まってく一方で、いつまでも夏休み終盤の焦りを思い起こさせられてる気分😫



大杉漣からバトンを繋いだ吉田鋼太郎と息子・坂口健太郎のアンサンブルが素晴らしい。ネットとリアルの描き分けも、一方は現実と地続きなのに対して、あくまで別人格として二人一役で父親を見守る視点が面白かった。
息子パートのロマンス要素があんまり有機的に物語に繋がらないのが残念だったけど、葛藤する二人の男の物語に昇華してて楽しめた。

物語の目的が明解で、ゲームクリアと問題解決がイコールになってる。単純に父親を理解するだけじゃなくて、(仮想空間とはいえ)冒険を通じて主人公自身も成長していく。
やることなすこと上手く行き過ぎな気もするけど、失敗を通じて学ぶより成功体験で自信をつける話の方がイマドキは共感得やすいのかも。


自分がゲームに疎く、FF XIV をプレイしたことも無いし、そもそもオンラインゲームに触れたこともない。クライマックスで対峙する相手の手強さだったり、倒すためのチームワークの大切さ・絆の強さが物語を補完してるのかもしれないが、門外漢にはハードルの高さが分からなくて戸惑っちゃう。難易度が分からない分、達成感も薄くて、なんだかアッサリ決着着いちゃった気分なのが残念。映画のせいってより、自分のせいでもあるんだけど💧


父とのゲームの思い出といえば……
その昔、幼い孫(自分からすれば姪)を囲んで家族の食事会をした時のこと。食事後まだ夕方で解散には早いし、食事会で退屈してしまった孫と一緒にゲームセンターに行きました。ゲームに疎い父を交えて何か楽しめるゲームはないものかとカーレースゲームで対戦する事に。もともと車の運転に自信もあり、タクシー運転手の経験もある父のこと、初挑戦とは思えぬハンドルさばきで見事に1位を勝ち取るわけですが、終了後「目の前の車がどうしても抜けなかった」と悔しがっておりました。「それはオドレが操作しとる自機じゃ!」とツッコんだ。「ふ〜ん」という気の無い反応で終わってしまったのが印象深いです。

※演出もストーリーも無難が過ぎて、フルスイングじゃなく堅実にバットに当てて、ソコソコの評価が上がれば十分って作りに見えたのでこの評価。劇場公開の意味あったのか?

67本目
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