J四郎

劇場版 ファイナルファンタジーXIV 光のお父さんのJ四郎のレビュー・感想・評価

3.8
父親(吉田鋼太郎)の事をよく知らなかった息子(坂口健太郎)。仕事人間だった父親がある日、突然に退職をします。それなら時間あるやろ?と父にPS4とFF14という魔のオンラインRPGをプレゼント!息子はその世界で父親と交流してやろうって計画。

元がブログの日記か何かだったので実話かどうか俺には分かりませんが、それは些細な事。これはかなり良く出来たドラマになっております。
オンライン世界なのをイイ事に息子クンは正体を隠して父親に接近できます。そして普段は知り得なかった父親の心の内が段々と分かってくるんですねぇ。

あの年のオッサンでしかもオンラインゲームなんて無茶にも程があるんですが、この父親とはその昔にFF3で一緒に遊んでいた実績がある。でもそのエンディング前でゲーム離れをしています。同時に息子との心の距離もそっから次第に大きくなっていったんですな。

余談だが、ファミコン版FF3のラストダンジョンはアホほど長い上に途中セーブ不可!の凶悪なモノでして、当時高校生だった俺も半日くらい潰してクリアしました。どちらにせよ時間のねぇサラリーマンには厳しい仕様だったんすよ。(当時のファミ通に社会人にクリア出来ないゲームを作るな!みたいな苦情が投稿されてた記憶がある)もし一緒に挑戦していたならラストダンジョンが親子の絆を引き裂いてたりして?

自分もオンラインゲームはモンハンFでハマった事がありますが、アレに憑りつかれると他の趣味が何も出来ません。俺もこのおやっさん並みにひとつの事に没頭するとそればかりになるタイプなんで、こりゃ危険とそれから手を出しておりません。社会人にとって海外ドラマより遥かに時間を溶かされます。
この手のゲームは時間のある人向けだぴょん。

この映画の前にドラマ版もあって、そっちも数年前に見ましたがどちらも良く出来ている。父親のゲームが一日一時間になってしまう下りは映画の方がよりドラマチックだった気がします。でもドラマのお父さんは大杉漣なんよな~。今、そっちを観たらより泣いてしまうかも知れない。

オンラインゲームとはいえその向こうには生身の人間がいる。設定は奇抜だけど話の内容は血の通った人間ドラマになってます。しっかしネットというものは上手く使えば物理的な距離だけでなく心の距離を縮めるツールかも知れませんな。
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