タケオ

処刑人のタケオのレビュー・感想・評価

処刑人(1999年製作の映画)
3.6
イケメンな「天使」の兄弟が「神」に代わって悪人どもに'天誅'を下す、電波系バイオレンス•アクション‼︎

構成の歪さや御都合主義な展開が目立つとはいえ、主人公兄弟のスタイリッシュなバカアクションや、女装趣味のFBI捜査官スメッカー(ウィレム•デフォー)のエキセントリックかつ神がかったプロファイリングなど見所も非常に多く、今なお一部のファンからはカルト的な人気を誇っている(腐女子からの人気もかなり根強い)。

当初トロイ•ダフィーの書いた脚本は業界内に持ち込まれるや否やたちまち話題となり、激しい争奪戦の末「ミラマックス社」のハーヴェイ•ワインスタインが1500万ドルというハンパない額で競り落とした。しかし、ワインスタインが有名キャストを起用して彼を「第2のタランティーノ」と売り出そうとすることにダフィー監督が反対したため契約は解消、最終的には「フランチャイズ•ピクチャーズ」で700万ドルの低予算映画として制作されることとなった。

ハーヴェイ•ワインスタインといえば、業界内で絶大な権力を握り多くの人々から恐れられ、その地位を利用して多くの女性に性的暴行やセクハラを繰り返していた最低最悪のクソ野朗である。そんな男を前にしながらも、自らの脚本に込めた「魂」だけは絶対に売らなかったダフィー監督の屈強な「反骨精神」こそが、本作を唯一無二の存在として輝かせているのだ。

低予算だろうがなんだろうが、制作陣の「信念」と「センス」さえあれば面白い映画はつくれるということを、本作は証明してみせた——。