Charleston0519

もみの家のCharleston0519のレビュー・感想・評価

もみの家(2019年製作の映画)
4.0
「早くやりたいことを見つけなさい。」なんて親から言われたことを思い出すと、いつからか自分にはやりたいことがあって、少しはやりたいことをやれて成長してきたのかもしれないと、嬉しくなる時間があったりする。

この映画は、そんな自分のやりたいことを見つけられずに塞ぎ込んでしまった女の子が農業を通して、人と触れ合い、街とふれあい、自然と触れ合い成長していく物語。ほのぼのとして心温まる、非常にいい映画でした。

学校に長い時間行っていないと、久々に行く時になんとなく恥ずかしい思いをしたりするが、そういった何気ない時間が積み重なって不登校は生まれるんだろうな。
いつのまにか集団で行動することを忘れ、社会から引き離されていく。
もみの家を通して、内なる自分をゆっくり、時間をかけて一つ一つ感じ取り、成長していくので、非常にゆったりとした映画だけれど、南沙良さんの成長していく様の表情が素晴らしい、、後半は急に明るい子になっちゃったので、少し経過が見たかったけど、悲しみの表情なんて最高でした。
塞ぎ込んだ役ばかりなので、こういった明るい役は珍しいけど、そのコントラストがまた良かった。

気を衒った演出はないが、カメラワークはFixの画よりもジンバルで撮影しているような画が多いのも、娘を見守る親の目線だったり、周りの環境に馴染めない主人公の目線だったりが現れているようで良かった。雄大な砺波平野の大自然がスクリーンに広がる光景は美しかった。

一つ欲を言えば、もう一山欲しかったところ。成長物語なので、課題を一つ一つ超えていくのは良いのだが、何くそ!と自分を奮い立たせるようなシーンがもう少し有れば、尚よかったなと思う。

地元のお祭りのシーン、非常に印象的でした。特に佐々木すみ江さん。遺作だったなんて知りませんでした。theおばあちゃん。なんとも愛おしい表情をもう見れないなんて残念です。