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もみの家のsingerのレビュー・感想・評価

もみの家(2019年製作の映画)
3.6
心を真っ直ぐにして、ただ素直に受け取って、とってもいい映画を観たなぁと、そんな気持ちにさせてくれる素敵な作品でした。

「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」、「無限ファンデーション」で、密かに注目してた南沙良ちゃんの演技が、本当に素晴らしくて、思わず感心させられましたね。
なんか、仰々しく無く、主人公の心の移り変わりが、ひとつひとつの表情から感じられて、その豊かな表現力が随所に発揮されていたし、
なんか演技をしているというより、それがとても自然に感じられたので、根っからの雰囲気を持った女優さんだなぁと改めて実感させられましたね。
ふとしたシーンでの視線の落とし方とか、喜怒哀楽の機微な表現もとても上手いなぁと感じられたし、主人公の想いの中に、自分の感情をしっかりと溶かして、同調させられるような、そんな演技が見られたので、これからの成長が益々楽しみになりました。

そんな彼女を中心と進むストーリー展開も、とても丁寧に、人と人の心の交わりを描いていて、王道中の王道というようなものではあったけど、だからこそ、その真っ直ぐさに心を打たれるものがありましたね。

後、後半からクライマックスに掛けては、ちょっと娘を持つ親からすると、涙なしには見られない展開で、ちょっと久々にウルウルとさせられてしまいました。
その感動も、とても爽やかで気持ち良いものだったので、素直に観て良かったと心から思える一作でした。
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