映画史に残る様々な名作を生み出す、クリストファー・ノーラン監督によるアクションサスペンス。
昨年に世界中の映画好きを熱狂させた今作、遅ればせながら鑑賞しました。
実は今作がノーラン監督作に初めて触れる作品です。噂に聞いていた時間軸を操る演出、そして考察が捗る難解なストーリー。何故彼の作品が愛されるのか、理由が分かった気がします。
現在から未来という〈時間〉から脱出し、逆行する世界に入り込む。そして第三次世界大戦を止める…、というストーリーから魅力的。
TENET、時間の逆行。ただのタイムリープではなく、“逆行していく世界”で任務をこなす。全てが逆。熱エネルギーの逆転により、炎が氷になるなど、斬新かつ真新しい映像描写が満載。逆行映像、どうやって撮影したのか知りたいです。ストーリーだけでなく、映像美でも楽しませてくれるのがノーラン監督の魅力ですね。
物理学的な仕組みが多く、原子論によるエントロピーや相対性理論、パラドックスなど興味深い科学論が展開され飽きることなく入り込めました。
直進する銃弾ではなく時間ごと逆行する銃弾。それを喰らえば死は不可避。恐らく逆行する世界と直進する世界の狭間にある我々が銃弾を受けた時、我々の過去から変えられる、つまり肉体の存在自体に影響する…ということでしょうか。考察が捗ります。
興味深いストーリーと映像美だけでなく、終盤の逆行と直進の時間軸が交わり展開されるアクションも魅力的でした。
まだ見ていない方は是非！
